らんちゅうは、稚魚からくろこ、当歳魚、二歳魚・・・となるにつれて形の悪さがどんどん目立っていきます。
くろこでのハネの仕方は簡単に説明していましたが、こちらでは、大会上位を目指すための選別を絵を使って説明したいと思います。
■選別基準(図解)
出楫 | 筒 しゃくれ | 背たれ | 芯立ち |
楫鰭が尾楫より外に |
尾筒の一部がえぐれた |
背の中央部や、 腰に くぼみがある 。 |
尾芯の角度が
45度 よりも 立っている。 |
芯垂れ | 帆柱 | への字 | 鋸背 |
尾芯の角度が45度 よりも倒れている。 |
背や腰の部分から 突起 が出ている。 |
腰から止めにかけて へこんでいる。 |
背から腰にかけて 凹凸になっている。 |
へ腰 | 背高 | 雁首 | 筒曲がり |
腰の部分がなくへの字 のようになっている。 |
背の部分が通常より 突出している。 |
キセルの雁首のように 止めで下がっている。 |
尾筒が中心から 曲がっている。 |
筒伸び | 三角筒 | 開き四つ尾 | ふくろ尾 |
腹と尾肩が はなれすぎている。 |
尾筒の先端が極端に 細くなっている。 |
四つ尾の開きが 大きい。 |
尾芯がない。 |
フナ尾 | 差し尾 | 摘み尾 | 内まくれ |
尾が開かず、
フナの ようになっている。 |
尾芯が尾筒にまで 差し込んでいる。 |
尾芯が黒く、摘んで |
尾肩の先端が 内にまくれている。 |
外まくれ | ちぢれ | 差し尾 | 芯ズレ |
尾肩の先端が 外にまくれている。 |
尾鰭がちぢれている。 | 皿に尾芯が 差し込んでいる。 |
尾芯が中心より ずれている。 |
大会上位を目指す場合
上記に記した状態になったらんちゅうをハネていきます。
稚魚の状態では尾を見ながら選別していきます。
ある程度大きくなったら、背腰も見ながら選別していきます。
最終的には、バランスを重視して選別していきます。大会上位を目指す、大会を経験するため、らんちゅうを飼う楽しみを覚えるには、職人によってある程度創られたらんちゅうを
手に入れて育てていくのが手っ取り早いかもしれませんね。
仔引きのことまで考えて選別する場合とは違った選別方法なのです。
仔引きを目指す(種魚)選別の仕方
翌年、また翌年と今まで以上の種を残す為には、形ばかりを重んじた選別の仕方は良くありません。
大会魚での選別のようにバランスを重視せず、どこかに崩れた部分があっても、大きく、丈夫で、
どこかに特化した部分がある物を選ぶことをオススメします。らんちゅうは、様々な交配によって生まれた品種です。
先祖返りしそうならんちゅう(フナへ戻る傾向のあるらんちゅう)や、鰓の後退があるらんちゅうだけは避けましょう。
フナへ戻る傾向のあるらんちゅう
フナ尾・差し尾・摘み尾・帆柱・への字・鋸背・へ腰
毎年仔引きを楽しみながら、大会出品していくためには、二通りの選別を行っていかなければなりません。
らんちゅうの醍醐味は、大会だけではありません。
研究しながら、より理想のらんちゅうを創るための仔引きも一つの醍醐味なのです。